夏の朝
誰にでも気が重く何かと調子の出ない、そんな時期はあるものである。
普段、気楽に生きている私にもそんな時期が溜まったように一気にやってきた。
何故こんなに色々な事が重なるのか、嘆いたくなってくるものである。
その日の朝も用事の為、そんな気分で車で向かっていた。いつもならお気に入りのCDを掛けるがそんな気分にもなれない。それでも気を落ち着かせようとラジオを掛けた。
WANDSの jumpin' jack Boy
ボーカルの上杉さんの歌声で誰の曲かすぐに思い出した。シンセの音色、ギターのカッティングにアーミング。まさに私が輝いていた頃に聴いていた曲である。誰にでもそんな時期はあるはずである。
気分が一瞬、軽く爽快になった。
ひとつ一つ向き合っていこう。なるようになるさ。何処からか不思議と自信が湧いてきた。
朝陽が眩しい田園風景を横目に車を向かわせた。