奇跡の一曲
WHITE SNAKE (ホワイト・スネーク)
The Deeper The Love (1989)
この曲は聴けば聴くほどホレ惚れさせられます。
地の底から湧き上がるエネルギーを感じずにはいられない、何か只事ではない魂に響く、そんな感じがするのです。
何故なら、ボーカルであるデヴィッド・カヴァーディールの歌声に私は公私共に挫折を味わった男が再起をかけて再び立ち上がる。そんな気迫を感じるのです。
それにもう一つ、正規メンバーの手首の腱鞘炎により、急遽参加が決まったギタリストのスティーヴ・ヴァイの存在です。ソロ活動をしていた彼もまたこのチャンスに賭けていたのです。この曲で彼は遺憾なく妙技を発揮し、ここでは7弦ギターを使用して、サウンドには彼の音作りの拘りであるハーモナイザーを効かせてます。彼がサビの部分で繰り返し奏でるギター演奏テクニックの一つであるピッキングハーモニクスに私は、天へ放たれるひと筋の強い光を感じるのです。彼はこの後のワールドツアーを最後にソロ活動に戻りました。まさにこの時ピンチをチャンスに変え、メンバーが一丸となって奇跡を織り成した一曲なのです。